総会時あいさつ
栃木県訪問看護ステーション協議会は、この4月1日をもちまして一般社団法人となりました。27年度中には臨時総会を開き、皆様から賛同を得まして28年度当初に間に合うよう準備をさせていただきました。これまでも、栃木県からは事業へのご理解をいただき、難なく運営を行ってまいりましたが、今回、定款から見えるものは、しっかりとした当協議会の位置づけやあるべき組織が、よりしっかりした組織として社会に認めていただける団体となったと認識しております。
看護職の属性は、決まりごとの前に、そこに倒れている人がいたら理屈抜きでその人へ手を差し伸べることに洗脳されているものです。永年、臨床に携ってきた私は、それを否定しません。そうであって良いと思っています。聖書に「善きサマリア人」という箇所があります。強盗に襲われて死にかかっている人が倒れていました。そこを通りかかった地位の高い人やいい人と言われている人種(レビ人)も通り過ぎてしまい、あるサマリア人だけが彼を助けて介抱し宿屋に運んでその宿代まで負担したという挿話です。ちなみにこの挿話は医師の為の医の倫理の基礎知識とされています。
しかしながら、現代社会において制度化された職業に就いている私たちとしましては、制度や規則を理解したうえで業務に携わることが鬼に金棒だと思います。つまり、良い仕事をするにも、社会から信頼されることって大切なことだと思います。
今年度から、社会法人の名を冠にそれに恥じない良い仕事を行い、地域包括ケアシステムの中心的役割を引き受けてまいりましょう。
これからも、ますます訪問看護の需要は増加してまいります。利用者一人ひとりのQOLの実現に向けて、研鑽を怠らず、関係機関や他職種の方々と協働して、より住みやすい地域の担い手となることをお願い申し上げましてあいさつといたします。ありがとうございました。
一般社団法人栃木県訪問看護ステーション協議会 会長 河野 順子